【代表コラム】起業家精神と起業家”的”精神の違い(2)
起業家精神と起業家”的”精神の違い(2)
以前のコラムで、『日本が再興するための処方箋として、「イノベーションの推進」と「起業数」(新たなビジネスの開始)の増加が必要であると言われています。』と書きました。私も、その通りだと思います。また、、起業家教育の悪影響として、向いていない人にまで起業を強いる風潮になるのでは?とも書きました。そして、今までの起業に関わる本当の課題は、「起業が選択肢に入っていなかった」ことなのではないかと書きました。
日本の政策で、「起業がみんなの選択肢になりそうだから、問題解決!そして、起業を選択した人が、起業家精神を持って頑張る!」それでは、問題解決とはならないのです。
そこで、出てくるのが「起業家”的”精神」という考え方です。一般的に通じる言葉なのか、私のオリジナルなのかは分かりませんが、「起業家”的”精神」は、全ての人に必要な考え方で、個人、組織、そして日本の閉塞感を打破する一つのキーワードになるのではと考えています。
どうしても、「起業家精神」というと、スタートアップなどの新たな事業をゼロから行うことにフォーカスが行ってしまいますよね。例えば、アントレプレナーシップの定義は、「イノベーションを武器として、変化のなかに機会を発見し、事業を成功させる行動体系」(ピーター・ドラッカー)です。まさに、イノベーションによる事業開発、いわゆるスタートアップによる事業創造を連想してしまいますよね。実際の「起業家精神」の精神は、もっと広く、深い意味があったとしても、どうしてもそのような言葉の連想に引っ張られてしまいます。
一方、「起業家精神の真髄」は、「新たなことに挑戦する姿勢(または、それを促す姿勢)」なのではないかと思います。
「起業家精神」を分解すると、次のような思考と行動要素が挙げられると思います。各々の詳細は色々な解釈があると思いますが、要素としては概ねそうだねと思って頂けると思います。
・新たなことに挑戦する姿勢
・発見力、想像力
・行動力
・リーダーシップ
これって、普通に生きていく中で必要な要素ですよね。もちろん、人によって様々ですが、日本の人と組織として比較的弱いと言われている要素なのではないかと思います。特に、革新的なイノベーション、日々の絶え間ざるイノベーションが求められている現在、起業するためだけの能力と認識されてしまうと非常にもったいないと思います。
なので、本来の「起業家精神」ではなく「起業家”的”精神」が良いのではないかと。
全ての企業や自治体などの組織が「起業家”的”精神」を持つ人材を求めています。そして、個人の観点から考えると、「起業家”的”精神」を持つ人材は、どこでも活躍できる、つまり組織に属しながら、副業人材にもなれる。起業だけがゴールではない、起業家”的”精神を持つ人が大活躍する国、日本。なんか再興しそうな気がしますね。
そして、「起業家”的”精神」を持つ人たちの中から、起業する人が出てくる。いい感じですね。